立花香織の秘密
そして、私が扉に着く頃には、争いが始まっていた。
相手は、男が二人に、双子の少女が一組。
あれ?
この人達、どこかで見た事あるような?
ないような?
そう思っていると、相手が私が居るのに気がついて、笑いながらさけんでいた。
私の名前を何度も、何度も……。
「香織、出てきてはダメだと言っただろう?」
リーノイが私のほうを向いて言う。
「ごめんなさい。私の名前が出てたから、つい……」
私がそう答えると、相手は私に、
「もう、苦しむ事は無いよ。僕達が助けに来たから」
と、言った。
私には何の事だかさっぱりわからなかった。
すると、リーノイが私が疑問で頭がいっぱいなのに気づいたみたいで、教えてくれた。
「あいつらは、こないだ教えたヴァンパイア鬼の一番悪い奴らだ! だから、やっつけなきゃいけない! 手伝ってくれるかな?」
「もちろん! 手伝ってあげるよ!!」
私がそう答えた瞬間、相手は凍りついていた。
そして、何かボソボソしゃっべている。
何なんだろ?
私、何か言ったかな?
そう思っていると、リーノイが、
「今の内にやるぞ!」
と、言った。
だから、私は魔術で剣を出して、一番私の名前を呼んだヤツに向って走った。




それは大輝だった。



< 62 / 84 >

この作品をシェア

pagetop