立花香織の秘密
「アハハハ!! アハハハハハ!!」
私は笑ったわ!
嬉しかったから!

今まで溜め込んできた飢えがなくなるから!!

「な、何笑ってんの? 頭どうかしてるの?」
女が怒鳴りつけてきた。
そんなのかまわない。
この女は……

 
これから死ぬのだから!!!


私は問いには答えずに、魔術で凶器を出して走り出そうとしたときだった。


「香織! やめろ!!」


私にそんなことを言う人がいた。
大輝だった。

どうして、こんなところに?

どうして、こんなときに?

なんで?

なんで、大輝がここに来たの?

「ねぇ? どうして、ここが、わかったの?」
私は大輝に訪ねた。
「香織がいる場所はわかるんだよ!」
そんなふうに大輝は答えてきた。
「何で? 私が今、何しよとしてたかわかってた?」
私はなぜか、そんなことを聞いていた。
なんで聞いたかは、自分にもわからない。
ただ聞いてみたかったから、聞いてみた。
すると、大輝は笑いながら、でも真剣に答えてくれた。
「知ってるよ。殺そうと、してたんだろ? じゃまして悪かったな」
「何で? 怖くないの? 前も、そんなこといってたよね?」
「あぁ、怖くないよ! 香織はぜんぜん怖くない」
大輝はそう答えてくれた。
でも、私はその言葉を素直に受け取ることは、できなかった……。

だから、叫んでしまった……。

大輝を、怒鳴りつけてしまった……。


「そんなはずないわ!!!
      私は、化物だもの!!!!!」


こんな言葉で……。
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