はないちもんめ

確かに
お母さんは
ヒマを見つければ
何かしらしていて
釣り竿を持ちながら
釣りをしている姿は
光景は想像が
つかなかった。

早紀のお父さんが
使っている
釣り竿を持っていき
海岸へと向かう。

海岸につくと
一番
張り切っているのは
早紀のお父さんだった。
広い砂浜が
太陽の光を
反射させている所へ
恵に麦藁帽を被せ
そそくさと
海へと行ってしまう。

砂浜には
大きな足跡と
小さな足跡が残る。

その足跡を追う様に
私と早紀は
海へと向かう。

海へと向かうと
既に早紀のお父さんは
釣り竿を海に
向けていた。

「おじいちゃん、すごいよ。シュッて、なげたんだよ」

恵は
目を輝かせながら
伝えてくる。

私も釣りを始めようと
釣り竿を出し
用意していると
歯がゆそうに
チラチラと
お父さんの瞳だけが
動いているのが
分かった。

「お父さん、申し訳ないんですが、分からないんで教えてもらえませんか？」

早紀のお父さんは
待ってましたと
ばかりに
自分の釣り竿を立て
私に教えてくれる。