はないちもんめ
私は早紀のお父さんに
合わせる様に
言葉を伝える。

「そうですね。私もそう思いますよ。やっぱり、日本酒ですよね」

すると
早紀のお父さんは
私の顔から
目を背ける。

「ケッ・・・おめぇ、本当に、そう思っているのか?俺は話を合わせられるのが大嫌い何だよ・・・。そんな事より、おめぇ。最近、どうなんだ?」

私は
早紀のお父さんの言葉に顔を
ひきつらせながら
答える。

「最近ですか?毎日と言うわけではありませんが、順調ですよ」

私が
先のお父さんに
伝えると
スズキの刺身を
一切れ掴み
口の中に放り込むと
鼻で笑う。

「真実を語るのは言葉じゃねえ・・・・・ウソつくと、どうしたって顔に出ちまう。それが、人ってもんだ。おめぇも早紀も俺にとっちゃあ、ケツの青い青二才だ。」

早紀のお父さんは
日本酒をグッと
一気に飲み干し
グラスをテーブルに
静かに置く。

「答えってのは、誰も教える事は出来ねぇ・・それが答えって思うのも思わねぇのも自分次第だしな・・生きるって探すって事だ・・色んな答えをな・・今度は、おめぇがチビに教えてやるんだ。チビが、でかくなったら、チビが自分の子供に伝える・・」
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