はないちもんめ

早紀は
百合ちゃんの
お母さんの言葉を
オウム返しをする。

「赤ちゃんがえり・・？」

すると
百合ちゃんの
お母さんは少し
慌てた様子で
伝えてくる。

「もちろん、似ているだけだから、そうだとは、言い切れないし、恵ちゃん、一人っ子だから、それは無いとは思うのだけど・・・」

百合ちゃんの
お母さんが
話し終えると
早紀の履いている
ズボンを
引っ張る感触がする。
その感触のする方へ
目を向ける。

すると
青ざめた顔の
男の子が
早紀のズボンを
ギュッと
しっかりと握り
早紀の顔をジッと
見つめ消える。

早紀は驚き
思わず声を上げる。

「うわぁっ！！！」

その声に
朝の眠気も
飛んでしまうぐらいに
驚く
百合ちゃんの
お母さん。

「・・ど・・どうしたの？」

早紀は驚きながらも
思った。
この場を説明しても
信じて
もらえるはずが無い。

早紀は
お茶を濁す様に
その場を繕う様に
百合ちゃんの
お母さんに話した。

「・・・ゴメンね。築１０年、経っているから変な虫が出るのよね。心配してくれて、ありがとう」