はないちもんめ
写真を手に取りながら
涙がこぼれ落ちる。

ごめんね・・・
恵・・・・・

何度も何度も
心の中で
叫ぶ早紀だった。

そして
その夜
恵の横で
添い寝をする様に
横になる早紀。

眠る
恵の頭を優しく
撫でていると
一本の電話が
鳴り響く。

ジリリリーン!!
ジリリリーン!!

早紀は
鳴り響く電話を取る。

ガチャッ

電話の主は夫だった。

夫は困り果てた声で
早紀に伝えてくる。

「もしもし、車のクラッチがおかしくて、車が動かなくなっちゃったんだよ。帰りが、いつになるか分からないんだ。」

車の故障なら
仕方ないと思いつつも
声のトーンが
落ちる早紀。

「今日、話したい事があったんだけど仕方ないわね。分かったわ」

夫との電話を終え
静かに
電話の受話器を
置く。

再び恵の眠る部屋へと
向かう。

すると
眠る恵を
ジッと見つめる
男の子の姿が
目に映った。

早紀は
眠る恵の所に
駆け寄り恵を
抱き上げる。

抱き上げた瞬間
恵の小さな瞳が
静かに開く。

恵の視点は
男の子の方へ
向けられた後
早紀に向けられる。

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