はないちもんめ
そして
恵の口が寂しげに
開く。

「おかあさんは、まことくんやはつよちゃん達のが、かわいいんでしょ」
早紀は
恵の言葉を聞き
その言葉を涙ながらに
否定する。

「何を言っているの!!お母さんは恵が一番、可愛いに決まってるじゃない!!お母さんの子供は恵!!恵しか、いないの!!」

恵の
小さな瞳から
涙が頬をつたい
落ちる。

「どうして?わたしのおかあさんなのに、わたしのおかあさんやおとうさんのそばに、よそのこが、ずっといるの?」

寂しそうに
伝える恵の言葉を
聞き
ワナワナと体の底から
震えが
来るのが分かった。

目の前に
立つ男の子を
早紀は睨みつける様に
強く言い放つ。

「私はあなた達のお母さんじゃない!!私の子供は恵だけなの!!私は、あなた達に何もしてあげれない!!これ以上、私達、家族を苦しめないで!!」

早紀が言い放つと
家の窓にヒビが入る!!
ピシッ!!

早紀は更に言い放つ!!
「何を求めてるのよ!!そんな事をしても、答えは変わらない!!私の子供は、この子だけしかいない!!あなた達は、あなた達のお母さんやお父さんの所に行きなさい!!」

< 120 / 132 >

この作品をシェア

pagetop