はないちもんめ

そこには
お父さんお母さんと
書かれたシミが
前と変わらずあった。

早紀が
そのシミを
見つめていると
お父さんお母さんと言う文字が違う形に
変化していくのが
分かった。

徐々に形が変わって行くシミを見つめていると
一つの絵が完成した。

浮き出た絵は
おかっぱの
女の子が２人
縄跳びの両端を持ち
その間を
何人かの子供達が
飛んでいる絵だった。

襖のシミは
次から次へと
絵がスライドを
見てるかの様に
変わって行く。

割烹着を来た女性が
しゃがみ
子供の手を
優しく握っている絵。

家族だろうか
卓袱台を囲み
昔ながらの
威厳がありそうな
お父さん。
その横で
ご飯をよそる
お母さんの姿。
そして子供達の絵。

しかし
次に浮かんだ
絵とは状況が一変した。
無残に散らかった
家の中を映し出し
その中心に
髪の毛が
ボサボサの女性・・・
継ぎ接ぎの
ズボンを履いた男の子が映し出される。

シミは再び形を変える。家の外が映し出される。白人男性だろうか・・・宣教師の様な姿で
先程の乱れた
髪の毛の女性と
話している様子が
映し出される。