はないちもんめ
男の子や女の子が
宣教師の姿の
白人男性と
手を繋ぎながら
白人男性の顔を
まるで
どこに行くの?と
言わんばかりの顔で
見つめているが
宣教師の姿の白人男性は何も言わず
黙々と歩く姿が
映し出される。

子供達の
お母さんだろうか?
両手で顔を覆い
ボロボロと
両手では足りず
指と指の隙間から
こぼれるぐらいの
涙が滴り落ちる・・・

そのシミが最後に
映し出された・・・・

貧しい生活が故に
泣く泣く我が子を
手放さなくては
いけなくなった・・・。
そして子供達も
お母さんやお父さんに
抱き締めて欲しくても
抱き締めて貰えない。

そんな寂しい
気持ちのまま
亡くなった子供達
なのかもしれない・・・早紀は
そう思うと
止めどなく涙が
溢れてくる・・・。
自然と早紀から
言葉が出てくる・・・。
「寂しかったんだね・・・ごめんなさい・・・・そんな気持ち・・・分からないで・・・・本当にごめんなさい・・・」
早紀の目からは
拭いても拭いても
溢れ出す涙は
拭いきる事は
出来なかった・・・。

暗闇が包む部屋が
優しい光に包まれる
早紀は光に
誘われる様に
周りを見渡す。
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