はないちもんめ
「勇次くんはハンバーグ食べるんだって恵は何を食べるの?」

「自分で言うからいい・・・」

恵は負けず嫌いだから
食堂のおばさんに
自分で注文するって
言ってたよね。

「何を注文するか。決まった?」

「僕、ハンバーグ食べたい!!」

「ほら恵も自分で頼むんでしょ」

「・・・・・」

「もうしょうがないんだから、もう一つハンバーグ定食、お願いします」
「恵も自分で言えばいいのなぁ~なんで言わないんだよ~」

「恵だって自分で言えるもん!!え~ん、え~ん」

そう
結局
自分で頼めなくて
勇次くんの言葉で
泣いちゃったんだったね。
負けず嫌いで
頑固な所は
誰に似たのかな?

再び白い光が包み込む。
ここは病院?
恵がベッドで
酸素マスクを付け
横になっている。

私と早紀が
見守るように
恵の手を
握り締めている。
白衣を来た医師が
私と早紀の顔を
見るなり
首を横に振り
その場を
離れようとする。

早紀は涙を流しながら
医師の腕を掴む。

「お願いします!!初めての子供なんです!!助けて下さい!!」

医師は早紀に
もう一度
首を横に振り
病室から去ってしまう。
< 129 / 132 >

この作品をシェア

pagetop