はないちもんめ
その言葉に
少し怖くなり
口調が強くなってしまう早紀。
「恵!!サヨちゃんなんていないよ!!幼稚園に、いっぱい友達がいるから行こう!!」
そんな早紀の言葉に
ふてくされる恵だった。早紀は恵の手を引いた。恵は早紀に
手を引かれながら
後を振り返り
誰もいない所に
手を振っている
「バイバイサヨちゃん、また、明日ね」
早紀は
手を振る恵を
抱き抱え
自転車の後に乗せ
幼稚園へ
ペダルをこぎ始めた。
自転車の後に
乗りながら
家が見えなくなるまで
手を振り続けた。
早紀は
精一杯に
木に囲まれた
獣道を走り続けた。
「はあはあ・・」
気が付くと
汗だらけになっている
自分の姿に気付く早紀。目の前には
恵がこれから通う
幼稚園があった。
オレンジ色の屋根
横長に長い
わりと大きな幼稚園だ。汗を拭きながら
園内に入る恵みと早紀。園内の中には
子供達の元気な声が 聞こえてきた。
早紀は恵と手を繋ぎ
受付へと足を運ばせた。「あのぉ・・・入園の手続きを、お願いをしにきた川田ですけど・・・」早紀は受付に
話しかけると
優しそうな
50歳ぐらいの
メガネをかけた女性が
早紀の方へと
やってくる。
< 13 / 132 >

この作品をシェア

pagetop