はないちもんめ
酸素マスクを
付けた恵は
うっすらと目を開き
力無く笑った。

「バイバイお父さん・・・バイバイお母さん・・」

「恵!!自分から諦めちゃダメだ!!お父さんもお母さんも頑張るから自分から諦めたらダメだ」
翌日
奇跡的に容態が
良くなったんだよね。
あの時
どんなに
嬉しかった事か・・・。
そうだ・・・
諦めたらダメだ・・・ 力強く思うと
目の前の映像は
ガラスが割れる様に
バラバラと
崩れ落ちる。

目の前の光景に
目が大きくなる。

恵の体は先程より
高い位置にあり
徐々に天井に
吸い込まれて行く。

「めぐみぃ~!!」

私は未だ動かない体で
張り裂けんばかりの
声を上げる!!

そんな声も虚しく
恵は
青白い顔の女性と共に
天井をすり抜ける用に
上へと舞い上がる。

早紀も私も
舞い上がる恵を
ただ見ている事しか
出来なかった。

絶望的だと思い始めた時突然
天井から柔らかな
明かりが部屋
全てを包み込んだ。
そして
どこからか
子供達の声が
聞こえてくる。

「さよちゃんのおばちゃんも僕達と一緒に行こうよ」
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