はないちもんめ
「そうだよ。私のお母さん、見つかったよ。さよちゃんのおばちゃん、ずっと私達を見てくれたじゃない。ありがとう。もう寂しい思いをしなくて良いんだよ」

暖かな光から
明るい声が響いてくる。
その声に
促される様に
青白い顔をした女性からうっすらと涙が
こぼれ落ちる。

女性は優しい表情に
変わる。
宙に浮いた恵を
包む様に
子供達が囲む。

恵を掴んでいた手を
女性は静かに手放すと
子供達が恵の手を
優しく握り
私と早紀の所まで
連れてきてくれる。

そして
優しい光に包まれた
子供達は
涙を流す女性の手を
とると
一つの大きな光となり
夜空に
吸い込まれる様に
天へと上がって行った。
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