はないちもんめ

ゆっくりと
１００円玉を入れる。
ガチャン
おもむろに
缶ジュースを取り出し
喉仏が
グビグビと動くぐらい
一気に飲み干す。
空き缶を持ったまま
辺りをグルリと
見回すと
杉林があり
ヒグラシの鳴く声が
耳に入ってきた。
帰ろうかと思い
車に乗ろうとすると
お寺が目に入った。
無意識の内に
お寺の前まで
足を運ばせた私。
木造のかなり
年期を感じる寺だった。しばらくお寺を
眺めていると
私の背後か
ら声が
かかった。
「こんにちは。私は、この寺の住職。出掛けて帰ってきた所ですが・・」私は後ろを
振り返ると
黒装束を身に纏った
優しそうな
坊主が立っていた。
「いや・・・喉が渇き周りを見たら、お寺を見たので、気が付いたら、ここにいたのです」
私が住職に答えると
優しく微笑み
伝えてきた。
「なるほど・・・どうですか？少し、お茶でも、いかがでしょう？話したい事があるようですね」私は住職の
言っている
言葉の意味が
分からなかった。
「いえ・・・」
一言
住職に伝えると
優しく住職は
信じられない事を
伝えてくる。