はないちもんめ
「ただいま・・・」
気まずそうな声で
伝える私だが
その声に応じる事なく
まな板の上で
野菜を切る音だけが
トントントンと
聞こえるだけだった。
やはり
怒っているのかと思い
私は後ろ姿の早紀に
近付き謝った。
「ごめん・・・今朝は、言い過ぎた・・・」
しかし早紀は
何も答えようとは
しなかった
余程
怒っているのかと思い
時間を起き
声をかけようと思い
タバコに火を着ける。
タバコを吸っていると
恵の姿が
見えない事に気付いた。まだ寝る時間には早い。私は恵の名前を呼ぶ
「めぐみ~」
スタスタスタスタ
恵が中廊下を
元気一杯に走る音がするそして恵は
私の姿を見た瞬間
飛びついてきた。
「お父さん!!」
恵の頭を撫でる
「幼稚園は楽しかったかぁ~」
恵の前では
明るく振る舞う私
すると
恵は悲しげな
口調で伝えてくる。
「お父さん、もうケンカしちゃダメだよ」
恵の言葉に
微笑ましく思い
答える。
「大丈夫、お父さんとお母さんは仲が良いんだ。仲が良いから時々ケンカしちゃうんだよ」
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