はないちもんめ
恵を宥める様に
恵の顔を見る。
!!・・・
言葉を失った・・・!!
この子は誰だ・・・・ 髪がボサボサになり
目を腫らし
青アザがある
見知らぬ子に
私は抱きつかれていた
「離せ!!」
振り払おうとするが
私の上半身に
しがみつき
離れようと
してくれない!!
台所で夕食を作っている早紀に
力を振り絞り
声をあげる!!
「早紀!!」
すると早紀は
ゆっくりと
こちらを振り向く。
「うわぁぁぁ!!」
そこにいたのは
早紀ではなく
髪は長く
ボサボサの
疲れきった女性だった
女性はヨロヨロしながら足を
ズルッ・・・
ズルッ・・・
ズルッと
擦らせながら
近づいてくる
「来るな!!来るなぁ~!!」
割れんばかりの
声で叫ぶ!!
私にしがみついた
青アザの女の子は
私の顔を恨めしそうに
見ながら
徐々に上に
爪を立てながら
這い上がって行くのが
分かった。

ガチャ
玄関が開く音がする。
パチッ
電気のスイッチが入る。「あなた・・・・真っ暗な部屋で何をしてるの?」
玄関を見ると
早紀と恵の姿があり、
早紀は不思議そうな
表情で
こちらを伺っていた。
そして
子供と女性の姿は
いつの間にか
消えていた。
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