はないちもんめ
4~5歳の男の子と
女の子が
代わる代わる
爪を立てながら
玄関のお札を
剥がそうとしている。
光景が目に映った。
その光景を見た
私は
後ろ向きに戻りながら
布団へと戻り
布団の中で
ワナワナと震えながら
家の中に
入ってこない様に
まるで神に祈る様に
強く合掌した。
ガリガリ!!
ガリガリ!!
ガリガリ!!
激しく御札を
剥がす音が
耳につんざく!!
バタン!!
玄関のドアが
激しく
開く音がする・・・
御札が
破られたのだ・・
音がなった瞬間
私の体は
まるで
コンクリートで
固められたかの様に
硬直した・・・
動くのは
顔だけだった
スタッ・・・
スタッ・・・
静まり返った部屋から
何者かの足音が
聞こえる・・・
スタッ・・・
スタッ・・・
足音は
私達が居る部屋の前で 止まる・・・
私は
部屋の扉の方へ
ゆっくりと
顔を動かす・・・
カチャ・・・
ドアノブが
静かに回る・・・
ドアが
風に吹かれる様に開く・・
髪が乱れた女と
丸坊主の男の子が
立っていた・・・
滑る様に
早紀と恵が寝る
布団の前まで来る・・・
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