はないちもんめ
恵は目を少しずつ開け
眠たそうな目で
私を見て
モゴモゴと言いながら
私に背を向け
眠ってしまった。
その表情を見た
私は安心して
一息ついた。
それと同時に
なぜ?
何もしてない家族が
こんな目に
会わなければ
ならないのか?
そう考えると
腹が立って
仕方なくなり
思わずガラス戸の方に
地だんだを踏みながら
ガラス戸を力一杯
開け外に飛び出し
叫んだ!!
「出て気やがれ!!何の恨みがある!!言いたい事があるなら言え!!」私の声は虚しくも
暗闇に
かき消されるだけだった気がつくと
私は素足のままで
外に飛び出ていた。
「あなた・・・」
私の後から
早紀の声が聞こえる。 後を振り返り
早紀の心配そうな顔が
見えたが
何も答える事なく
足を拭き
家に入り
アグラを
かきながら
両手で自分の顔を
洗うように覆った。
私の姿を
何も言わず
立って見ている早紀。
私は一言
呟く様に早紀に伝える。「金ためて、引っ越そう・・・」
早紀は
言葉を何も言わず
ウンと頷いた・・・・
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