はないちもんめ
妻の言葉を返す私
「分からない・・・と
りあえず、家の中を見てくるよ」
私は暗闇に染まる
車内に妻と娘を残し
私だけ
取りあえず家の中を
見る事にした。
ガチャガチャ
妻の言った様に
玄関扉はカギが
閉まっていた。
カチャ・・・
鍵を開ける・・・
家の中は当然
真っ暗で何も見えない
しかし
引っ越しの片付けの
途中の散らかった
部屋だと言う事を
知っている私
そんな中
人が歩いたら
どんな事になるかは
想定が出来る。
暗闇の中
壁に設置している
電気のスイッチを
手探りで探す。
ザラザラの壁の感触が
私の手に伝わる・・・
カチッ・・・
スイッチを入れる。
部屋は一気に
明るくなる。
当たり前だが
部屋の状況は
特に変わった様子は
見当たらない・・・
ただ私以外
誰もいないと思われる
家の中では
空気の音が
うるさいぐらいに
シーンと耳に
伝わって
来るだけだった。
私は
その音と恐怖を
掻き消す為に
テレビの
スイッチを入れる。
テレビの音は
空気の音のみを
消し去ってくれた。
テレビの部屋を出て
中廊下を通り
別な部屋を見たが
特に格別
変わりが無かった。
家から外に出る私。
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