はないちもんめ
10分と言う時間が
こんなに長いものかと
思いつつ待つ。
待っている間
夜中に起きた出来事が
頭にめぐる・・・
恵の肩を掴まれたから
こんな状況に
なっているのだろうか?恵の体から
もう1人の
半透明の恵・・・
あれは恵の魂・・・?
もし上半身だけでなく
下半身も出ていたら
恵はやはり
死んでいたのだろうか?とっさに殺される!!と思ったのは
なぜだろうか・・・?
そうこう考えていると
名前を呼ばれる声に
ハッとする私。
「川田さーん。川田 恵ちゃん」
看護師の声に
返事をする。
「はい・・・」
看護師は
ニコニコしながら
医師のいる部屋へと
案内してくれる。
「川田さん。川田 恵ちゃんですね。こちらに、どうぞ」
医師の部屋へと入ると
白衣を着た
白髪まじりの
医師が
問診表をみながら
伝えてくる。
「口に沢山、口内炎と赤い発疹があるんですね。熱もあるのか・・・ちょっと恵ちゃんの口と手と足を見せて貰って良いですか。そこのベッドに寝かせて下さい」
抱いていた恵を
ベッドに寝かせると
泣きすぎて
ヒックヒックしている
恵の口の中や
手足を見る。
「大丈夫だよ~怖く無いからね~」
優しく言葉を
かける医師。
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