はないちもんめ
私は
女性に
視線を合わせる。
返事に困った。
「いえ・・・」
大家が居るのに
なぜ?
ウソをつく必要が
あったのだろうか?
会いたくない理由が
あったのだろうか?
やはり
あの家に以前
何かあったのだろうか?そう思いながら
女性の視線を外し
先程まで
大家がいた場所に
視線を変える。

いない・・・

どこに
行ったのだろうか?
私の姿を見て
気まずくなり
別な部屋へ行った?
しかし
大家に気まずそうな
仕草は
感じられなかった。
むしろ
自分は
ここにいると
言ってる様にも見えた。それに
女性の雰囲気から
見ても
とてもウソを
言ってる様に見えない。
そんな事を
考えていると
私の真横に
妙な気配を感じた。

不意に横を見る・・

私は
声を失った・・・

先程まで
女性の後に
立っていた大家が
私の真横に
立っていた・・・

女性を一度も
交わさず
どうやって
私の真横に
来たと言うのか・・?
仮に裏口があり
裏口から回り
私の真横に来たとしても何のメリットがあり
そんな事を
するのだろうか?
いや・・・
それ以前に
自分の父親が
目の前にいるというのに女性の表情に
変わった様子がない・・
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