はないちもんめ

大家は
突然
口をあんぐりと開け
絶望的な表情を見せる。
今まで緑色一色だった
草原が
まるで早送りする様に
枯れ始める。

大家の足元から
青白い無数の
小さな手が
大家の足を掴み
地面に
引き込もうとする。

目を大きく見開き
私に手を必死に
出してくる。
助けを求める様に。

私は大家を
助けようと
大家の手をとろうと
大家に手を
差し伸べようとすると
私の背後から
差し伸べようとする
手とは
逆の手を引っ張ってくる感触が伝わってくる。

後ろを振り返る。
引っ越した
初日にいた老婆が
私の手を引っ張ってた。老婆の顔を見ると
初日とは違い
険しい顔で
首を横に振っていた。

老婆に
気をとられていると
大家は
闇に吸い込まれる様に
地面の中に消えた。

私は
老婆に
話しかけようとすると
老婆から
眩い光が出て
目が眩んで
何も見えなくなって
しまった。

気がつくと
私は見覚えのある壁を
見ていた。
奇妙な夢を
見ていたんだと
思ったが
壁・・・？
自分が
見ている場所が
おかしな事に
気がつく。

辺りをぐるりと
見回すと
薄暗い室内が見える。