はないちもんめ
何かが
私の手を引く・・・
手を引っぱる
方向を見る。
早紀が私の方を見て
叫びながら
涙を流しているのが
見えた。

叫んでいるが
早紀の声が
耳に入って来ない・・・
早紀の声をよそに
真っ正面を見る。

すると
もう片方の
手を引っ張る
女性の
後ろ姿が見えた。
女性はゆっくりと
私の方を見る・・・

そこには
恨み辛みを浮かべた
形相をした
女性が私の
腕を痛いぐらいに
鷲掴みにしている!!
その痛みに
早紀の声が
痛いぐらいに
耳に入ってくる!!
「あなた!!起きてよ!!」
私は
必死に女性の
掴み掛かる手を
振り払おうとする!!

到底
女性の力だと
思えない
ぐらいの力だ!!

早紀の言葉が
次から次へと
入ってくる!!
「ねぇ!!私は、あなた達に何もしてないじゃない!!どうして、こんな事ばかりするのよ!!」私は
振り払おうと
必死で抵抗する!!
そして
張り裂けんばかりの
声で言い放つ!!
「やめろぉー!!」
すると
先程まで
鷲掴みされていた腕は
スルリと抜ける。

ほどけた・・・
女性から手が
ほどけた瞬間
私は泣いている
パジャマ姿の早紀を
真っ先に抱きしめた。

< 51 / 132 >

この作品をシェア

pagetop