はないちもんめ
納得いかない顔で
私を見る妻。
「でも・・・!」
妻が声を上げる。
ピィィィィィー!!
やかんが湯気をあげ
けたたましく鳴る。
私も妻も鳴るやかんに
不意を
つかれた様に見る。
妻が溜め息を尽きながら立ち上がり
台所に向かい
お湯をきゅうすにいれ
私のいるテーブルに
静かに湯のみを置き
お茶を注ぐ。
湯気の上がる
湯呑みのお茶を
1口、ゴクリと飲む。
しばらく沈黙が続き
沈黙に
耐えられなくなった
私はため息と共に
声を発した。
「はぁ~・・・取りあえず様子を見よう・・・今日、忙しかった・・疲れた・・寝る・・・」
言葉を吐き捨てる様に
娘の寝る隣の部屋へ
行くと娘が
寝息をたてながら
スヤスヤと眠っている。その寝顔を見て
安らぎを覚えた。
カチャ
部屋の扉が開く音がする音の方を見ると
妻が疲れた表情を
浮かべながら
髪を両手で
掻き乱しながら
立っていた。
「私も疲れたから寝るわ」
ムッとした口調で
言いながら
布団に
先に入る妻だった。
家族3人
この家で初めて
寝る事になる。
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