はないちもんめ

「早紀さんは、日本も昔、子供を口減らしの為に売っていた時代をご存知ですか？」

早紀は
目を大きく開き
ゆっくり横に
数回ふる。

「外国だけに、ある話では無いんです。生活が苦しく、泣く子供を親が、子供の手を離す・・・どんな気持ちで親が我が子を売ったのでしょう・・・きっと、我が子と離れたとしても、片時も忘れる事が出来なかったでしょう・・・子もまた、同じ気持ちだったでしょう・・・逢いたい気持ちで張り裂けそうになったに違いがありません・・・そんな逢いたい母の気持ちが、我が子と似たような待遇の子供を、引き寄せたのでしょう・・・・そんな中、川田さん一家が引っ越しをされてきた・・・暖かな家庭を見た子供達とお母さんは、羨ましく思った・・・恵ちゃんの姿を見て羨ましく思った・・・それが、理由では無いでしょうか・・・・でも、一度、子供の１人が、恵ちゃんの命をお母さんの手から助けている姿も見えるのです・・・それは・・何故だか分かりません・・・・早紀さん、良いですか？まだ、問題は解決は、していません。攻撃は最大の防御と言いますが、防御が最大の攻撃とも言います。けして立ち向かおうとせず、暖かさで包み込んで下さい」