はないちもんめ
早紀には
分からなかった・・・
立ち向かわずして
ただ
毎日の恐怖に
驚きおののいて
いればよいのか?
そんな事を
思っていると
住職は
ニッコリと笑う。

「大丈夫です。早紀さんには、早紀さんの事を気にかけている人がいるでは無いですか。恵ちゃんの事を早紀さんが気にかけている様に・・・きっと、その方が、あなたに助言をしてくれます」

誰かが
私を助けてくれる・・?早紀は
その言葉に
何の脈略も
無いというのに
心の中に
久しぶりに安心感に
ひたった・・・・

「隣の部屋は、もう、大丈夫でしょう。さてと、私は、そろそろ帰ります。また、お困りの時に来ます」

住職に深々と
早紀は頭を下げた。
住職を玄関まで
送りだす。

リリリーン
リリリーン

送り出して
しばらくすると
電話が鳴り響く。

早紀は
受話器に耳をあてる。

「はい。川田ですけど」
早紀が
受話器に言葉を
発すると
聞き覚えのある声が
聞こえてきた。

「もしもし。早紀かい?あんた、引っ越してから、ちっとも連絡よこさないから何かあったのかと思って電話したのよ。引っ越しして初日に連絡するもんだよ。恵は元気にしているのかい?」
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