はないちもんめ
声の主は
早紀の母だった。
助言をしてくれる人とはお母さんの事?
早紀は
とっさに思った。

「お母さん!!ごめんなさい!!色々と忙しくて連絡、出来なかったのよ!!恵?元気にしてるわよ」

早紀の母は
少し苛立ちながら
早紀に伝える。

「お母さんじゃないわよ!!本当に・・・。そう、恵、元気しているんだ。」

早紀は
母の意志を聞かずに
母に伝える。

「ちょっと、待ってて。今、恵に代わるから。恵!!おばあちゃんから電話だよ」

恵の顔と
同じぐらいの受話器を
小さな手では
持てなく
早紀が恵の背後から
受話器を一緒に
持ってあげた。

「もしもし・・・」

早紀が
恵の背後から
小さな声で伝える。

「おばあちゃん、げんき?って」

すると恵は
早紀の顔を一度
見ると照れ笑いをする。早紀は
もう一度
同じ言葉を恵に
微笑み伝える。

「めぐみ、ほら、おばあちゃん、げんきって」

恵は早紀の言葉を
そのまま
伝える。

「おばあちゃん、げんき?」

早紀の母は
自分の孫に
敬語になりながら
電話の向こうで
微笑んでいるのが
手に取る様に分かった。
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