はないちもんめ
早紀は
先程よりも
更にムッとして
短い言葉で伝えてくる。
「両方!!」

そんな早紀の気持ちに
私は伝えた。

「早紀の気持ちも分かる。恵の先を考えると、自分で出来るようにしてあげたい。でも、早紀のそんな強い気持ちも恵に伝わらなければ意味をなさない物になってしまうんじゃないかな?でも、俺は、思うよ。恵の事で、こういう話が出来るって幸せな事なんだって。今日は、お母さんと会う日だろ。楽しくやろうよ」
早紀は
まだブツブツと
文句は言ってた物の
顔は先程より
穏やかになっていた。
そして
黙々と荷物を
車に運んでいた
早紀に
柔らかく伝える。

「腰、痛めるよ。ひとりで頑張って。俺が運ぶから。早紀は恵を連れてきてよ」

早紀は
少し元気が無い言葉で
伝える

「分かった・・・」

荷物を運び終え
ようやく準備完了。
車のセルを回す。
いつも
通っている道が
今日は違った道に見える。
車の速度と共に
景色が飛ぶ。
車のラジオからは
お馴染みの夏の名作が
流れていた。

車で1時間ほど走ると
海が見えてきた。
海は太陽の光を反射させキラキラと光っている。海には
私達が乗る船も見える。
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