はないちもんめ
船が止まる港に
到着する。
港の駐車場は
観光バスから
一般乗用車で
溢れかえるぐらい
混み合っていた。


私の目の前に
止まっている船に
乗れるかどうか?
心配になった
私は車を駐車場に止め
駆け足になりながら
乗船券を
買いに行く。
乗船券の販売所も
人でごった返していた。
きっと釣りに
行くのだろう。
釣り道具を持った人。
彼氏と彼女だろうか? 男女で込み合う中
手をつなぐ人。
お母さんやお父さんと
はぐれてしまったのか?1人
途方にくれ
鼻水を垂らしながら
泣きじゃくる男の子。
そんな人混みを
かき分けながら
乗船券売り場を目指す。
何とか購入すると
出発案内のアナウンスが流れる。

「毎度、〇〇湾フェリーを御利用ありがとうございます。□□丸へ御乗船されるお客様へ。□□丸の出航は〇時〇分予定です。〇時〇分予定の□□丸を御利用されるお客様は、お車へお急ぎ下さい」

乗船券を握り締め
私は販売所の外に出ると駐車場の係員達が
船への誘導を
開始していた。

私は自分の車まで
全速力で走った。
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