はないちもんめ
相対性理論って
奴だろうか?
楽しく幸せの時間は
早く過ぎ去り
夜の虫のコーラスが
聞こえてくる。

夕御飯を
食べ終えると
お父さんは何も言わずに席を立ち
蚊取り線香を入れる
丸いケースを
2つ持ってきて
蚊取り線香に
火をつける。
蚊取り線香は
ボヤーと赤い光を放つ。
蚊取り線香の
一個を恵に渡す。

「眠くならないうちに行くぞ・・・」

恵はあどけない表情を
みせながら
お父さんの後に
ついて行く。

お父さんと恵か
去った後
微笑みながら
お母さんは早紀に
伝えてくる。

「あなた達くるまで、あっちウロウロ、こっちウロウロ、熊みたいに落ち着き無かったのよ。大工の腕は確かなのに、なんで、他は不器用なのかしらね。」

早紀も微笑みながら
お母さんの言葉に
答える。

「昔からでしょ。口数少なく厳しいけど、フトした所で優しい。でも、まだ、いるんだ。ホタル。私も小さい頃、連れてってもらったけど・・・」
早紀のお母さんは
昔を思い出しながら
答える。

「昔より数は少なくなったけど、いるわよ。まだ、この辺は、自然が残っているからね」

早紀のお母さんが
話終えると
カタッと何かが
落ちる音がする。
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