はないちもんめ
食事中
恵が嬉しそうに言うと
黙々とご飯を
食べている
お父さんに対して
お母さんが代弁者の
様に伝える。

「良かったわね。おじいちゃんが、 また、連れてってくれるって」

早紀は早紀で
恵に伝える。

「ホタルきれいって、恵、おじいちゃんの背中で寝てたじゃない。ねえ、お父さん」

早紀に話を振られ
しどろもどろになる
お父さんの姿を見て
微笑ましくなり
私は笑ってしまう。

「はははははっ」

照れを隠そうと
ご飯も途中で
席を立とうとする
お父さんに対し
私は
笑ってしまった事に
罪悪感を覚えたので
言葉をかける。

「私達、この後、釣りに行こうかと思うのですが、この季節、何が釣れますか?」

すると
食席を立とうとしていたお父さんから
魚の名前が出てくる。

「・・キス・・マゴチ・・だな・・・釣りに行くのか・・・この辺の海は荒れぇ・・・おめぇ達だけじゃ、あぶねぇから着いてってやるよ・・・」
その言葉を聞き
早紀と早紀のお母さんはニコニコしている。

「お母さんはどうする?」

早紀のお母さんに
早紀が聞くと
早紀のお母さんは
面倒臭そうに答える。

「私は性格的に駄目なんだよね。」
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