たべちゃいたいほど、恋してる。
(あわわわわっ大上くん額に青筋たってるよ!綺麗な顔が台無しだよ!)
あまりの迫力に顔を真っ青にさせる優衣。
そんな優衣などお構いなしに龍之介は更に顔を険しくさせ詰め寄った。
「……今見たものは全部忘れろ。一つ残らず全部、だ」
「ぜ、全部って…おにぎりとか、厚焼き卵、たこさんウインナー、鰤の照り焼き、唐揚げ、ポテトサラダ、ほうれん草のおひたしに…」
「だぁぁぁああ!!!!忘れろって言ってんだろぉぉ!!!!」
指折り中身を確かめだした優衣に、全校中に聞こえたんじゃないかと思うほどの声で制止をかける龍之介。
顔には些か疲れが見える。
しかし、龍之介の制止の言葉に優衣は再び首を傾げた。
「え、何で?こんなに美味しそうなのに…」
優衣はもったいなーい、と頬を膨らませ抗議する。
(美味しいものはみんなで分かち合ったら、もっと美味しいのに!)
「何で、って…こんなの俺が作ったってばれたら笑われんだろ」