たべちゃいたいほど、恋してる。
予想通りの返答に小さく溜息を吐き、何でもねぇと優衣の質問をスルーした龍之介は、優衣の興味を逸らすように別の話題を持ちかける。
「う、うん!ちゃんとあったかくして寝る!」
勿論、優衣が話を逸らされたことに気付く筈もなく。
優衣は龍之介の言葉に元気よく返事を返した。
そこに、先程まで父親からの暴力を恐がっていた優衣はいない。
『ん、じゃぁな』
「あっぁあ!!まっ待って!!」
用件も終わり優衣が元気になったのも確認出来たので、そろそろ電話を切ろうとした龍之介に優衣は慌てて待ったの声をかける。
それは優衣にとっても龍之介にとっても予想していなかった行動で。
『……どうした?』
何故引き止めたのかなどわからない。
ただ、優衣はどうしてもまだ電話を切りたくはなかった。