たべちゃいたいほど、恋してる。




(あわわわわ!大上くん怒っちゃった…?)



電話越しゆえに龍之介の顔は見えない。

今彼がどんな顔をしているのか。

その声色だけでは想像も出来なかった。




(うぅ…だって…切りたくなくて…もうちょっと声聞きたいなって。でも…迷惑だよね。ご飯前だって言ってたし…)


(……なら…だったら、せめて…)




「あの…あの…っ………お、おやすみなさい!りゅっ龍之介くん!!」




優衣は固く目を瞑り大きく息を吸うと叫ぶように龍之介の名を呼んだ。


何度も小さく繰り返した龍之介の名を。




『…………』




沈黙が続く。




(…うぅ…やっぱり大上くん嫌だった、よね。ちょっとしか話したことない女に名前呼ばれるなんて)





だんだんとネガティブな思考に苛まれ、優衣の瞳からポタポタと涙が流れ落ちる。




(…っやっぱり謝ろう…)




罪悪感で一杯になった優衣が口を開きかけたとき




『………ん………おやすみ、優衣』





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