たべちゃいたいほど、恋してる。

《女の子って怖い生き物》






翌日、興奮のせいでいつもより早く目が覚めた優衣は起きて早々に夏希へと電話をかけた。




『………………はい』


「もしもし!なっちゃんですか!?優衣です!!あのね!昨日ね!電話して、大上くんが、キュンって、名前がね!」


『……ごめん、何言ってるか全然わかんないんだけど』




7回目のコールで電話に出た夏希の声は低く擦れている。

元々低血圧である夏希は朝がとても苦手で早く起こされることを良しとしない。


しかし、今の優衣の頭からはそんな事実はすっかり抜けてしまっていて。


上手く頭が働いていない夏希に対し、優衣は文法滅茶苦茶の日本語を怒濤の勢いで喋りだす。


勿論そんな日本語が寝起きの夏希に通じるわけもなく、落ち着けと一喝したあと電話の向こう側で夏希が溜息を吐いたのがわかった。




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