たべちゃいたいほど、恋してる。
ごめんなさい…と涙声で謝る優衣に、夏希は溜息を吐きそうになる衝動を抑え困ったように肩を竦めた。
『…うーちゃんのことだから、なんかいい事あって黙ってられなくなったんでしょ?大丈夫だから早く用意してね』
優衣の友人暦2年目にしてその行動の意図をほぼ把握している夏希。
んじゃ切るから、とだけ言うと余韻もなく途切れた通話。
残ったのはプーップーッという機械音だけ。
「…なんでなっちゃんわかるの…?」
音の切れた電話を耳から離し、優衣は不思議そうに首を傾げる。
(なっちゃんってエスパーだったのかな?)
今どき小学生もしないような現実離れした考えだが、どうやら優衣は本気らしい。
これも後で確かめなくちゃと意気込み力強く頷く優衣がそこにいた。