たべちゃいたいほど、恋してる。
何とか違うと告げようとするも、優衣に発言する間は与えられず勝手に話が進んでいく。
当事者を置いたままどんどん盛り上がっていく話に優衣は泣きそうになりながら狼狽えるしかなかった。
傍らでは健が何とも言えない顔で笑い、夏希は呆れたように女子たちを見つめている。
(こ、こんなことになるなんて…!!)
「……大上くんに怒られちゃうよぉ…」
じわりと瞳に溜まっていく涙をどうすることも出来なくなった優衣は"ばかぁぁぁあ"と叫ぶと勢い良く教室を飛び出した。
後ろで夏希と健が優衣を呼ぶ声がしたが今は気にしていられない。
ボロボロと流れる涙をそのままに、優衣は当てもなく校舎の中を彷徨い走る。
「…大上くん…っ」
今日、初めて女の子が怖いと思いました。
act 2*end.