たべちゃいたいほど、恋してる。
「ふぇー…」
自らの妄想にひどくショックを受けた優衣は涙腺が決壊したかのようにボタボタと大粒の涙を流しながら手に持っていた携帯を握り締める。
ここに来るまでに何度か感じた腹部の痛みなど気にしていられない。
それよりも痛いのは胸の奥の方で。
涙を流しながら優衣はあれほど幸せだった数時間前が嘘のように、どん底まで突き落とされた気分になっていた。
唯一の救いは今着ている服から龍之介の匂いがすることだけ。
しかし、優衣の脳内の龍之介はそれさえ返せと言っている。
「…うー…いやらぁ…」
何でそんなこと言うの!と一人脳内の龍之介に文句をつける優衣。
傍から見ればかなり滑稽な光景だが、優衣は至って真剣なのだ。