たべちゃいたいほど、恋してる。
「ほら、これでいいか?」
「へへ…うん!ありがとっ」
「ん」
再び見えた龍之介の顔に、優衣は口元を両手で押さえ嬉しそうに頬を緩ませる。
そんな優衣に龍之介も小さく微笑むと優衣の小さな片手に指を絡めた。
絡められた指に、再びじわーっと熱をもつ優衣の頬。
「あ、そういえば」
快晴の空の下。
初々しい空気が流れるなか、ひと龍之介が思い出したように口を開いた。
龍之介の声に優衣は顔を上げる。
「また大上くんに戻ってんじゃん。名前で呼んでくれねぇの?"優衣"ちゃん」
昨日、電話で呼んでたろ?と悪戯に笑いながら耳元で優衣の名前を呼ぶ龍之介。
しかも、わざわざ普段より声を低くして。