たべちゃいたいほど、恋してる。
ズキン
その声に痛む胸の真ん中。
(あ…やだやだ。嫌いになっちゃう…?)
「や、やだぁぁあ!!!!」
"嫌われる"という単語が頭を過った優衣は咄嗟に顔を上げて嫌だと叫ぶ。
しかしそこには
(…あれ?)
何とも可笑しそうに眉を寄せて笑いを堪える龍之介がいた。
(は…ハ メ ラ レ タ…!!)
気付いたとしても、もう遅い。
今にも腹を抱えて笑いだしそうな龍之介の目にはうっすら涙が滲んでいる。
「っ…いや、わりぃ。ククッ…ほら、名前呼んでみ?」
堪えきれなかった笑いを溢す龍之介に頬を膨らませるが、その頬を優しく撫でながらほら、と促された優衣はぷぅっと息を吐いて龍之介を見つめた。