たべちゃいたいほど、恋してる。
《ありつけたご馳走》
とにもかくにも、優衣と龍之介が恋人という関係におさまった翌日。
優衣はわかりやすいほどにいつもの数倍上機嫌だった。
それはもう気持ち悪いくらいに。
朝から良かった機嫌は時間を追うごとに良くなり、昼休みに入った今、遂に鼻歌まで口ずさみ始めている。
「…梨本、どういうことよ」
「さぁ…俺もわかんないんだよ」
そんな優衣を遠巻きに観察しているのは夏希と健。教室の隅でこそこそと話すその姿はかなり怪しい。
「…昨日、なんかあった、とか」
「俺も聞いてみたんだけどさ、もう面白いくらい破顔するだけで」
訝しげに顔を顰め健に問い掛ける夏希。
しかし、どうやら健も優衣が上機嫌である理由を知らないらしく肩を竦めて首を横に振った。
「なんなの…一体…」