たべちゃいたいほど、恋してる。




昨日教室に戻ってきたときの優衣の様子を思い出しながら、夏希は頭を抱える。



あの後、勢い良く教室を飛び出してから一時間ほどして教室に戻ってきた優衣。


授業が始まっていることに気付いているのか、いないのか。

ふらふらと席に着いた優衣は、気の抜けた表情でまじまじと自分の手を見つめだした。


そして、突然顔を真っ赤に変えたかと思うとおもむろに荷物を持って立ち上がり


"先生!胸の奥がきゅんとして痛いので帰ります!"


と叫んで教室を出ていったのだ。




「夜した電話でも、なんか変だったのよね…」




ぐっと眉を寄せ考える夏希の横で、健も頭を悩ませる。


すると



〜♪♪〜♪〜♪♪〜



突然流れた携帯の着信音。

聞いたことのないその音のもとを辿れば、それは優衣の携帯で。




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