たべちゃいたいほど、恋してる。
優衣は健に頭を叩かれながら、こんなお兄ちゃん欲しかったな…と場違いなことを考えていた。
「はぁいっ了解です!」
必ず伝えます!と言いながらビシッと敬礼する優衣に、健も同じように敬礼して、お願いします!と返す。
そんな二人を夏希は呆れたような表情で見ていた。
本当の兄弟のようなやり取りは傍目にはとても仲睦まじく見えて。
その姿に一部の健ファンから黄色い声が上がる。
そして互いの挨拶が終わったかと思うと優衣は"じゃあ行ってきます!"と元気に叫んで勢い良く教室を飛び出していった。
右手にはきちっと握りられた携帯電話。