たべちゃいたいほど、恋してる。
「…龍って…………大上?」
「だろうね」
優衣の背中が生徒の波に消えた頃。
すっと夏希の視線が健に突き刺さった。
しかし、視線を当てられた本人はそれを気にする様子もなくニコニコと笑っている。
「…大丈夫なわけ!?」
大上龍之介といえば校内随一の悪童。夏希が取り乱すのも無理はない。
だが健は夏希とは正反対に、いつも以上に落ち着いた笑みを浮かべていた。
「んー…まぁ大丈夫でしょ」
「本当に!?何を根拠にあんたは笑ってんのよ!!」