たべちゃいたいほど、恋してる。
「そっち優衣のな」
優衣の前に並べられた小さな弁当箱。
龍之介のそれに比べて、よりカラフルに描かれているのは優衣への小さな配慮なのか。
(か わ い い)
可愛らしく飾られたおかずの数々にふにゃりと笑顔になる優衣の顔。
止まらないニヤニヤをなんとか両手で押さえる。
「わーい!いただきますっ」
行儀よく両手を揃えて挨拶すると、優衣はパクリと厚焼き玉子を口に放り込んだ。
続けて龍之介も小さくいただきますと呟き食事に箸をつける。
「んー!!おいひぃ〜」
口に入れた瞬間、ほんのり広がる甘さはまさに絶品。
その美味しさに優衣の頬は緩みっぱなし。
(へへ…幸せ〜…)
周りにたくさんの花を咲かせながら優衣は美味しいと繰り返し箸を進めていく。