たべちゃいたいほど、恋してる。
そんな優衣に追い打ちをかけるように龍之介は自分の箸で弁当のおかずを摘むとそれを優衣の口へ運んだ。
「ほら、口開けろ」
「…は、はずかしいよぉ…」
龍之介はちょんちょんと優衣の口を突き、口を開けるよう催促する。
だが優衣は恥ずかしさから口を開くことが出来ない。
「…食べねぇの?」
うー…っと唸りながら俯く優衣を下から覗き込むように見上げる龍之介。
小さく首を傾げるその姿に優衣の胸がきゅんっと鳴った。
「たっ食べるよ!」
龍之介の上目遣いに耐えきれなかった優衣は、色付いた顔のままビシッと手を高く挙げる。
そんな優衣に龍之介は柔らかく微笑んだ。
「……いい子。ん、あーん」
とくん、とくんと心地よくなり続ける心音を感じながら、おずおずと口を開く優衣。