たべちゃいたいほど、恋してる。
そっと優衣の小さな手のひらが、頬に触れる龍之介の手を包んだ。
「あの、ね…?龍、くん…格好よく、て…」
ドキドキしたの…と伏し目がちに告げる優衣。
自分の気持ちを言葉にする緊張のせいか優衣の手は小さく震え、目尻にはうっすらと涙が浮かんでいた。
そんな優衣の耳に届いたのは間違いなく龍之介の小さな溜息。
(あ…私、変なこと言っちゃったのかな…?)
反射的にそう感じた優衣は謝らなくては、と慌てて頭を上げる。
しかし視線を上げた先にいたのは真っ赤に染めた顔を手で覆い俯く龍之介だった。
「…っ馬鹿。んな可愛いこと言うな」
手のひらに遮られたその言葉が優衣に届くことはなく。
本当に小さな声でそう呟いた後、龍之介は意を決したように口を開いた。