たべちゃいたいほど、恋してる。
ところ変わって体育館。
少し遅れて辿り着いた優衣たちを待ち受けていたのは勿論バドミントンという名の球技。
方向感覚だけでなく、運動神経も限りなくゼロに近い優衣にこの競技が上手くこなせるはずもなく。
「うぅー…あいたっ!」
「うーちゃん!!何なのその奇妙な動きは!!」
ピョンっと兎のように飛び跳ねながらラケットを振る優衣。
そのラケットは当たり前のように空を切って、打ちそこねた羽がコツンと優衣の額に落ちてきた。
何とも言えない地味な痛みと夏希の声に優衣の瞳が潤む。
「うーちゃん可愛いよ〜」
そんな優衣を見ながら、楽しそうに優衣に声援を送るクラスメートの女子たち。
決して冷やかしではないそれだが、優衣にとっては悔しい以外のなにものでもない。