たべちゃいたいほど、恋してる。




そんな時




「あ、男子試合してる〜」




ふと耳に入ったクラスメートの言葉。


それにつられるように体育館の反面を使っている男子を見れば、どうやら本当に試合をしているらしくゼッケンをつけた数人がコート内を走り回っていた。




「……あ……」




その中には、珍しく授業に参加している龍之介の姿があって。

優衣は見つけたその後ろ姿に近づくようにコート近くまで歩み寄っていく。


仕切りとして張られたネットの傍に立つと、優衣はボールをリングに向かって放つ龍之介に目を奪われた。




(…かっこいい…)




素人目にも綺麗なフォームとチラリと見えた脇腹に、優衣の心臓はきゅんっと音をたてる。




(……はっ!!私、変態みたいだよ…!!)




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