たべちゃいたいほど、恋してる。
「…ったく、危ねぇだろ。目も腫れてるし」
少し歩いた先の体育館裏にある水道近くでおろされた優衣。
未だ状況が掴めないのか目をパチパチと瞬きしている優衣に龍之介は呆れたような溜息を吐きながら、乾き始めた目尻を撫でる。
先程とは正反対の柔らかい声色に優衣は思わずその手に擦り寄った。
「何あんなとこで、ぼーっとしてたんだ?」
ん?と優衣の顔を覗き込むように首を傾げた龍之介に、真っ赤に色付く優衣の頬。
(ち、ちちち近い、ですぅ……!!)
動揺しながらも都合悪そうに視線を泳がせていた優衣だが、やがておずおずと小さく口を開きだす。
「そ、の…龍くん、見てて…かっこよかったから…あの……」